春も嵐も
「じゃあ、この話は取りやめにしてくれるんだな?」

そう言って現れたのは、
「親父」

腕を組み、藤見椎葉をにらんでいる親父だった。

「悪事がバレたら、何もできませんよね?」

親父の後ろから弥生と美波さんを先頭とする商店街の面々が現れる。

その数は…と、数えるのはめんどくさいからやめる。

無理でしょ?

大人数を数えるの、それだけでも日が暮れるわ。

これだけの大人数のうえににらまれているのに、藤見椎葉は全く動じない。

どこまで余裕があるんだ、この人物は。

そんなことを思っていた時、藤見椎葉の後ろに黒光りの車が止まった。
< 164 / 211 >

この作品をシェア

pagetop