春も嵐も
出てきたその声は、震えていた。
動じないと決めたのに。
何があっても、迎えるつもりだったのに。
なのに…俺の父親が藤見椎葉の父親ってありえないのもいいところだ。
「そのペンダント…」
藤見父が指差したのは、俺の胸元だった。
そこには母さんの形見のペンダントがあった。
海のように深い青のペンダントは、父親がプレゼントしてくれたものだと母さんは言っていた。
「私が君のお母さんにプレゼントしたものなんだ。
裏に、私のイニシャルが書いてあるだろ」
藤見父にそう言われて、俺は裏を確認した。
動じないと決めたのに。
何があっても、迎えるつもりだったのに。
なのに…俺の父親が藤見椎葉の父親ってありえないのもいいところだ。
「そのペンダント…」
藤見父が指差したのは、俺の胸元だった。
そこには母さんの形見のペンダントがあった。
海のように深い青のペンダントは、父親がプレゼントしてくれたものだと母さんは言っていた。
「私が君のお母さんにプレゼントしたものなんだ。
裏に、私のイニシャルが書いてあるだろ」
藤見父にそう言われて、俺は裏を確認した。