春も嵐も
「君のそのたくましい性格は、紀子さんに似たんだな。

私に似ている部分など全くないと言うように、君は全て紀子さんに似ている」

藤見父は、そこに母さんがいるみたいに視線を天井に向けた。

「君は、私と紀子さんの子供だ。

それだけは、事実だ」

そう言った藤見父に、
「わかってます」

俺は返事をした

「君と紀子さんに免じて、この話はなかったことにする。

そして今後一切、商店街に関わらないことも約束しよう」

「はい、ありがとうございます」

「ただ1つだけ、君にして欲しいことがある」

藤見父が言った。
< 188 / 211 >

この作品をシェア

pagetop