春も嵐も
美波さんが俺の顔をジッと見つめてきた。

な、何ですか…?

「それにしても、本当にイケメンだ」

切れ長の色っぽい目が、今は怖くて仕方がない。

何か…俺、狙われていないか?

今にもガッツリいただかれそうだよな?

嫌だな、それ…。

俺、肉食系女子よりも草食系女子の方がタイプなんだよな。

可憐で健気だし、かわいいから。

「ちょっ…ちょっと、美波!」

ペシリと、弥生が美波さんの肩をたたいた。

「あら、ごめんなさい」

美波さんは我に返ったと言った様子で謝った。

弥生がいなかったら間違いなくいただかれてたな、俺。
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