春も嵐も
代わりに俺は息を吐くと、
「そう、心配すんなって。

俺はオオカミ美波よりも、ウサギリコちゃんがタイプだから」
と、言った。

「オオカミ美波、プッ」

手で口を押さえると、弥生は笑いをこらえていた。

と言うか、それを言ったのは弥生だべ?

美波さんを“オオカミ”だって言ったのは、あんただろ。

「ウサギリコちゃん…確かにリコちゃんは小動物っぽいよね」

笑うならちゃんと笑えよ。

そうやって我慢されるの、すげー苦手なんだけど。

「じゃあさ、ウチのお父さんを動物に例えたら?」

弥生が聞いてきた。
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