春も嵐も
「そう」

俺の答えに、弥生が言った。

「弥生は?」

「えっ?」

「弥生はどうなの?」

弥生は少し考えると、
「あたしは、単独が好きかな」
と、言った。

「人と一緒が嫌って言うか、自分は違うんだみたいな」

「ふーん」

意外にも、とがっているんだな。

とがっているって言うか、ちょっとかっこつけてるみたいな。

「何て言うか…“自分は自分、他人は他人”みたいなそう言う考えがあるのよ、あたし」

弥生が寂しそうな顔をしたのは、俺の気のせいだろうか?
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