春も嵐も
文化祭でバンドを組んでヴォーカル争いをしたし、他の学校の女の子をナンパしたり、ソフトボール大会ではうるさいくらいに応援したり、時には“魔球”と称して変な球を投げたり…バカ過ぎなのもいいところな俺の青春時代である。
進路のことで悩んだし、先輩と後輩の上下関係に頭と胃を痛めたこともある。
けれど楽しいことの方が多くて、どれもが今では宝物だ。
「みんなから線を引いて、楽しそうな姿を傍観するのが当たり前だった。
あたしは興味ないって顔をしてたけど、心の中はいつもうらやましいって思ってた。
あたしも、彼らの輪の中に入れたらいいのにって」
小さく呟いて、弥生は自嘲気味に笑った。
俺は弥生から目をそらすように、空を見あげた。
西の空に、控えめに輝く小さな星が見えた。
進路のことで悩んだし、先輩と後輩の上下関係に頭と胃を痛めたこともある。
けれど楽しいことの方が多くて、どれもが今では宝物だ。
「みんなから線を引いて、楽しそうな姿を傍観するのが当たり前だった。
あたしは興味ないって顔をしてたけど、心の中はいつもうらやましいって思ってた。
あたしも、彼らの輪の中に入れたらいいのにって」
小さく呟いて、弥生は自嘲気味に笑った。
俺は弥生から目をそらすように、空を見あげた。
西の空に、控えめに輝く小さな星が見えた。