春も嵐も
「美波…あんた、服装がハンパないね」

苦笑い…すら浮かべていない顔で弥生が美波さんに言った。

「何を言ってんの、これくらいはしなきゃ!」

ベシッ!

力いっぱいに美波さんが俺の背中をたたいてきた。

「イテテ…」

力の加減ぐらいしてよ…。

俺はたたかれた背中を手でさすった。

絶対に痣になるよ、これ…。

と言うか、ずいぶんと気あいが入っているなあ。

その気あいを俺たちも見習った方がいいのか、それとも見習わない方がいいのか。
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