春も嵐も
そんな2人の様子に、俺は一体どうすればいいのかわからなかった。

「杉里さんが好きなんでしょ?」

美波さんが弥生に聞いた。

早速本題かよ。

「それは、まあ…」

核心をつかれて、戸惑いながらも弥生は答えた。

「この間はあんなことになっちゃったけど、今回はちゃんと結果を残してみたいと思わない?」

ずいっと顔を覗き込んでくる美波さんに、弥生は少しだけ離れた。

「結果を残すと言う程でもないと思うけど…」

弥生は呟いているような小さな声で答えた。

「だからさ、やってみようよ?

盆踊りに全てを賭けてみようよ!」

美波さんが熱弁をするように言った。

すげー気迫だな…。

と言うか、賭けるって何だよ…。
< 84 / 211 >

この作品をシェア

pagetop