春も嵐も
女は女でも、弥生は姉貴だぞ?

血は繋がってないかも知れないけど、姉貴は姉貴だぞ。

「1つだけ思ったんだけどさ」

「何?」

「…何で、杉里さんを好きになったの?」

「えっ…」

俺の質問に、弥生は困ったと言うように眉を下げた。

「えっと、何でだろう…?」

「えっ、ないの?」

「ないって言うか…気がついたら好きになってた、みたいな」

「そんな理由かよ…」

「だって、そんなもんだったんだもん」

弥生は戸惑っている。

その時、ドーンと空気が震えるような大きな音が響いた。
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