春も嵐も
これと言った用事は特になかったから、家にいるはずだ。

と言うか、何の用なんですか?

この人は何の用であたしのお父さんに会おうとしているんですか?

「じゃあ、君の家に案内して欲しい。

君のお父さんに話があるから」

「あの…あたしの父に何の用ですか?」

疑問の1つをこの男にぶつけた。

「用事は用事だから、会いに行くんだけど。

って言うか、どうしても言わないとダメ?」

いや、ダメでしょ。

あんた、危ない人かも知れないし。

手に持ってるそのカバンの中には拳銃とか爆弾とか、とにかくいろいろなものが入ってるかも知れないし。
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