強がりも全部受け止めて
「また、会えて嬉しい・・・です」




会ったら素直に気持ちを伝えようって思ったの。
でも意を決していった言葉の語尾は情けないほど震えてしまった。




心臓がバクバクしすぎてるせいだ。




ああ、もう!思春期の少女じゃあるまいし、話すだけで緊張してしまうなんて。




でも無理もない。分かれた恋人とはずっと長いこと付き合っていた。
片思いのドキドキなんて、久しぶりで。



『僕も嬉しいです』




「!!」




久しぶりすぎて困惑してるところにそんなこと言われたら。
何て返事をすればいいのかわからなくなってしまう。
思わず俯いてしまった私の耳に、彼がフッと笑う声が聞こえた。




『嬉しいんですが、あいにく仕事のような用事があって、時間がないのが残念だ』






「−−え?」








顔を上げると申し訳無さそうな顔の彼が目に映る。





「仕・・・事、なんですか?」






聞き間違い出会って欲しいと思いながら問いかけたけど。





『はい』




無情にもしっかりとした返事が返ってきて、私は、思わず泣きたくなった。




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