強がりも全部受け止めて
これには私も部長も驚きを隠せなかった。




だって常識のある人なら、仕事で関わる人(この場においては部長)に、女性(私)の肩を抱いたまま、挨拶だなんて。




普通じゃ考えられない行動だわ。




『あ、相田くん、専務は』



動揺したまま口を開いたからか部長の話す言葉はボロボロだった。




『もうすぐ来ると思います。それより、失礼を承知でお願いしたいことがございますが、よろしいですか?』



丁寧なんだけど、有無を言わせない口調。
何をお願いするんだろう。



私も部長も予測できない相田さんの次の言葉を待った。




『彼女、由梨さんと僕は実は親しい仲です。ですから堅苦しい形式の紹介等は不要なので、もう2人で話をさせてもらうことは可能ですか?』




「な、」




何を言ってるの!?




絶句。言葉が続かなかった。彼の言葉が理解できず、開いた口も塞がらない。




だってどうして名前知ってるの?
親しい仲って何?
2人で話って何を話すの?



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