強がりも全部受け止めて
じゃあどうして?




口に出さなくても顔に出ていたんだろう。相田さんはふう、と一呼吸置いてから言った。




『・・・嫉妬したから』




少し拗ねたようにプイと顔をそむけながら言われ、目を瞬いた。





「・・・何て?」




嫉妬って、専務さんに?専務さん、見たところ私の父と似た年齢にしか見えなかったけど。・・・聞き間違えた?




『せっかく気持ちが通じて二人きりでゆっくり出来ると思ったところで、邪魔してくるし、由梨さんに触れたりするからついムキになってしまった』





「ふ、触れたって、顔を上げるようにって肩に手を置いただけよ?」




言いながら顔がにやけそうになる。




どうしよう。私・・・




『触れたことに変わりはない』



私、



『他の男が触れるなんてイヤだ』




たまらなく嬉しい。









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