今宵星
『幸さん~!!!』
扉がいきなり開いたか、と思うと
栗色の髪をした、小柄な女性が1人、満面の笑みを浮かべながら部屋へと入ってきた。
赤い、ロングドレスを身に纏った
とても可愛い女の人。
『ぉお?
アスカじゃねぇか、お前
珍しいなぁ
』
『幸さんが来てるって、さっきボーイに聞いてね!
会いたかったぁ~!!』
『嘘こけや。お前俺が呼んでも席つかんやんけ』
ぶすっと膨れた幸さんを、アスカさんはよしよし、と撫で
照れ隠しするように、幸さんはその手を優しく振り払った。
楓では何人も女の子を見てきたし
だけど、このアスカさんは、他の女の子の郡をぬいて、本当に可愛い容姿をしていた。
幸さんと何やら話していたようだが、数分も経たないうちにボーイに呼ばれたようで
きっとナンバーワンなのだろう。
よく分からないあたしでも、そのオーラだけは、なんとなく他と違うことはわかった。