君の面影
「悠…」
「だからよ、手伝ってもらっても意味がねぇんだよな」
「……ょ…」
「え?」
「……強がんないでよッ!!!」


ビクッ


「ッ!!?」
「そんな、弱い悠なんて悠じゃないよ!!!!」
「瑠歌…」
「いつも俺様で、自分勝手で、何があっても動じないずっと強気なのが悠でしょ!!!?!!」
「……」
「なのに、ちょっと自分以外が犠牲になると弱気になって……そんなの悠らしくないよ!!!!」




瑠歌は泣き顔になるくらい俺に怒鳴った




俺らしさ…??
んだよそれ……
俺はただ仲間が犠牲になるのをもう見たくねぇから…



「そんな、ホントは逢って抱きしめて、自分は彼氏なんだって言いたいくせに…強がんなよッ!!!!」


ドクン…


「相手が悠愛に手を出すから見を引くって? ふざけんな!!! 相手が何よ!! そんなの、いつもの俺様悠で蹴散らせばいいじゃん!!!」


ドクン…


「そんなまごまごしてる悠なんて悠じゃないよ!!!」




あぁ……
俺は何を怖がってたんだ……
そうだよ
こんなの俺らしくねぇじゃんかよ…!!




「そうでしょ!!?! 速水悠!!!!」


ドクンッ!!


「…はは……そうだったな……なんか俺らしくねぇな」


ポン、ポン…


「あ、ゆっ悠…??」
「ありがとな…お前のお陰で目が覚めた」




俺は泣きまくってる瑠歌の頭を撫でた
恥ずかしいのか今度は顔を紅くする瑠歌




「あ、アタシは別に、自分の思ってることをいっただけ……」
「プッ! ハハ!! さっきまでの強気はどこにいったんだよ!!」
「うっうるさい!!!」
「クックッ…お前はすげぇよ」
「アタシは当たり前のことを言ったまでよ!」
「けどすげぇよ…ホント、かなわねぇな……お前の男気!!」
「なっ!?!」
「惚れちまうじゃねぇか…」
「……バァカ」


トス…


「馬鹿な事してないで、さっさと片ぁつけてきな!!!」
「言われねぇでもやるっつの!!!」




これが俺達の絆が固く結ばれた瞬間だった…




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