君の面影

あれから俺達は遊園地をでて家に向かった
いつもの他愛もない普通の帰り道だったのに……


「いち、明日って雨かな?」
「なんだよいきなり……」
「え、いや〜……」
「??」
「あ、それよりあの鍵、わかった?」
「……」
「やっぱりダメかぁ…」
「はぁ…わかったよ…考えてやるよ」
「ホント!?」


愛の顔は一瞬にして満面の笑みを浮かべた


「そんなに大切な物が入ってんのか?」
「うん、大切なものだよ……だから絶対に見つけてね」


この時、愛の顔が切ない顔に見えたのは俺だけだろうか…?


「んじゃまた明日!!」
「うん!! 明日も寝坊なんてしたら許さないんだから!!」
「わかってるって…」


俺はこの時、一瞬だけ油断してた
向かいの自分の家に帰ろうと振り返ったとき___


ブロロロロ………


真横をバイクが通った……


赤い斑点をつけた黒いバイク
見たことがあったような気がしたが、一瞬のことだったため反応しきれなかった……
けどその時、俺がすぐに気づいていればあんな事にならなかったのに…………
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