君を後ろに乗せた日



風を切って、自転車が進む。
君がいるのが、後ろから伝わる。
君が少し怖がってるのがわかる。


スピードを少し落とすと、ちょっとだけ服を掴む力が弱まって。
それが嬉しいような、悲しいような。



時々後ろから話しかけてくれたけど、なかなかいい返事ができない。
でも、笑ってくれたのが、すごく嬉しかった。




段差があるたびに、俺は天にも祈る気持ちだった。
『揺れるな、俺。』って。
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