桜の見える丘(仮)
おぉう…恐ろしい…。
「すいません。」
ふてくされたように、嫌々謝った。
♪~
音楽が始まり。みんなは覚えたダンスをいっせいに踊る。
「はぁーい!ここからは手つないでぇ!はいはい!」
手拍子ながらにダンスへの手助けをする稲本さん。
どっ…どうしよっ…!かっ、神谷と手。手つなぐっ!!!
今までの練習では、一回もつながなかった。
喧嘩ばっかりしてたし…。
恥ずかしかったし…。
手をつなぐために少し手を出す私だが…恥ずかしくなってすぐ引っ込める。
「おい、手。貸せよ。」
と、神谷は手を出してきた。
え…。
ん、と出して早く!と急かす。
みるみる赤くなる私の顔。
手を出すか…出さないか…。迷ってるうちに…。