桜の見える丘(仮)
「…ったく。おっせぇな…。」
ギュっと…私の手を握る。
手をつないでしまったことに、頭は真っ白。
ダンス…忘れちゃった…。
って!忘れちゃだめだ!!
て…手をつないでることは忘れよう。うん…忘れるんだ。
と、思えば思うほど意識してしまう。
手…汗ばんできた…!
神谷の手…おっきいなぁ…。なんでこんなにごつごつしてる。
背もおっきいし…顔もかっこいい。
ムカつくけど…やさしい。
もう…どんだけ神谷のこと好きなのよ!
神谷、神谷と考えていると幸せの時間はあっという間に終了。
照れることもなく、ふつーに手を握ってきた。
それって…うれしいことだけど…。
――――悲しい。
だって…。だって!!
それは、神谷が私を女として見てないから、ドキドキしてないってことでしょ。
嬉しさの後に悲しさが襲ってきた。
あー、ものすごくネガティブ…。