桜の見える丘(仮)

ニヤッといつものあの余裕たっぷりの笑みが…。


それが…なぜか嬉しくて…


あぁ、私…こんなに憎らしい顔をするとこまで好きなんだなぁって実感した。


「なに、ニヤニヤしてんだよ。今、何考えてた?言ってみろ!」


「ニ…ニヤニヤなんてしてない!な…なんにも…」


「んまぁ、いいわ。どうせ、俺が好きだとか考えてたんだろ。」


――――――!!


「図星だ。わかりやす~」


「ちっ、ちがっ!!」


かぁぁぁぁと私の顔が赤くなっていく。


「ふはっ!いいって。わかってるから。でもな、前沢からも言ってくれねぇ?わかってるけど、ちゃんと言ってほしい。」


私をちゃかすような顔ではなく、まっすぐ真剣に私の目を見て言う神谷。


「ぃやっ…でも…」


「ほら…誰も聞いてないって。俺だけだから。ほら…?」


「ぅぅ…。わっ私は…神谷のことがっ…」


「俺のことが?」


「すっ…すすっすっすすす…好きっ…です…。」


< 133 / 301 >

この作品をシェア

pagetop