桜の見える丘(仮)
「ま…またふざけてるんでしょ…。」
嬉しくて…嬉しくて仕方ないのに…素直になれない私。
ほんと…かわいくない。
「ふざけてるわけねぇよ。んで、返事は?」
そりゃ、ふざけてるわけないって…目みればわかるよ…。
すっごい、真剣な顔…。
わたしは…ゆっくりうなずいた。
「じゃぁ…これで俺らは…彼カノだな!もう…誰にも触れさせねぇ…。」
そうか…。
うなずいたんだ…。付き合ってるんだよね…。
好きな人と私…両想いだったんだよね!?
顔に熱が集まる。
「アハ…アハハ…。ウヘヘ…」
不気味な笑い声が自然に出てしまう。
「おい。なに変な笑い方してんだ。きもちわりーぞ…。俺は行くからな。」
「え?」
さっきまで目の前にいた神谷はもう、いなくなり…日差しが照り続けている方へ小走りで向かっていた。
「こ…こんなのって…ありなのぉぉぉぉお!?」
仮にも!彼女になった私をほっていくだけでなく…『気持ち悪い』!?
信じらんない!!!あぁああ、もう!!!
とか、怒りつつも…喜びが抑えられない私の顔は自然に口角が上がり、ニマニマと気持ち悪い笑みを浮かべていたのだ…。