桜の見える丘(仮)
体育館へ近づくと、バスケットボールをドリブルする音が聞こえ、掛け声のようなものが少し聞こえる。
「キャァアアア!!」
体育館のドアの前には女子の群れが…。
掛け声じゃなくて…この女達の悲鳴…?
「通してくださぁー…い。」
そろぉ…っと隙間を入って行こうとすると…
「いたっ!ちょっと、割り込んでこないでよ!」
ドンッと押し出される。
少し段になっていて…バランスを崩して落ちそうになる。
――――――――キャッ…
「あっぶねぇ…。おまっ…こんなとこに何しに来てんだよ。」
後ろに倒れそうになったのを、神谷が助けてくれた。
「あ、ありがと。いや…ちょっと話があって…。神谷こそ今…練習中なのになにしてんの?」
「いや…ちょっとトイレ行ってただけだよ。」
そういえば…こけるの助けてもらうの、これで…3回目?
私、どれだけこけてんの…。
「ねぇ…あれ…神谷君だ!!!!!!!!!」
「うそっ!マジだ!!」
「「キャァアアアァァァッァァ!!!!」」
体育館の中を見ていた女子達がいっせいにこちらに向かってきた。
「うぉ!?んだこれっ!!」