桜の見える丘(仮)

頬を少し赤らめて話す葵。


なんて恋してる乙女なんだ!!!


それに、涙でぬれてる瞳でこっちを見ないで!!


あぁ!可愛いなぁああ!!もうっ。


「そっかぁ…。でも、葵と柏木君と仲いいじゃん!大丈夫。葵なら絶対いける!!!」


ふるふると横に首をふる葵。


「なんでぇ!!葵可愛いし、性格いいし!!だめなとこなんてない!」


―――――――――――もう…恋なんて…したくなかったのに…


「人を好きになんてなりたくなかったっ!!!!!!!!!」


はぁはぁと息を切らして、葵は急にガクっとその場に崩れた。


なんで…そんなこと言うんだろう。


私も恋をするまでわかんなかった。


でも、恋をして…幸せになったり不安になったりしたけど…神谷を好きになってよかったと思う。


どうして…恋したくなかったなんて…悲しいこと言うの?


「葵…家、おいで?とりあえず少し落ち着こうよ。家すぐそこだから!」


「ごめん…ありがとう…。」


力が抜けてる葵を起こして、家に連れていく。


葵が勇気をだして私に言ってくれたんだ。


恋はいいものだって…葵に思ってもらわなきゃ。



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