桜の見える丘(仮)
葵が私のもとに走ってきた。
「ねぇねぇ!!なんか、かっこよかったねぇ!あの人っ!」
「え…?えぁ。うん…。」
「どうしたの?私は、結構好きなタイプだったんだけどなぁ~?」
葵はブツブツあの人について独り言を言っていた。
私だって…かっこいいと思ったもん…。
優しい茶色の髪の毛、少し遊ばせてるような髪型、スラッっと高い背…。
一瞬しか見えなかったけど…。
すごい印象に残っている…。
でも…顔は見えなかった。
どんな…顔だったんだろぉ…。
「 ―――い。…葵!葵!!!」
「―――!!…えぇっ?なにぃ?」