桜の見える丘(仮)
「…ん?いきなりどうしたの…。私も神谷のことちゃんと好きだよ?」
夏休みの葵達を見習って…少しは素直になろうと思って好きってちゃんと伝えた。
でも…神谷の暗い顔はかわらない。
「だから…。だから……て……くれ。」
なにか言いにくい言葉なのか、重要な部分がいまいちよく聞こえなかった。
「え?ごめん、もう一回言って?」
私を抱きしめる力が強まり、神谷が言った言葉…。
―――――――――――別れてくれ………
そう…この言葉が…低く私の耳元で強く響いた。
言葉の意味が少しの間理解できなかった…。
「え…?ごめ…意味がよくわかんないんだけど…。」
全然頭が働かない。
「ごめん…。俺はちゃんと美姫が好きだ!!でも…頼む。別れてくれ…。」
なんで…なんで好きなのに別れなきゃいけないの…??
わけわかんないよ…。
言葉の意味を…理解すると同時に涙があふれる。
「な…んで…好きなのに…別れなきゃいけないの…?」
「………。」
神谷は…なにも言わなかった。