桜の見える丘(仮)
「なに……わけわかんない…。理由言ってくれないし…考える時間ちょうだい。」
その場を逃げようとする。
「美姫!!!!」
神谷のせいでこうなってんのに…呼びとめないでよ…。
「なに…。話すことないんでしょ?…だからもう行っていいかな…。」
背中を向けたまま神谷の方に体は向けない。
顔みたら…なんか…好きって実感しそうだし…。
こんな状況でって思うかもだけど…。
この怒りを…ぶつけてしまいそうだし…。
なにより、泣きそうだ…。
「違うんだよ…ほんとは…!!!」
「何が違うの!!!!!!別れてって言ったのは神谷じゃん!!!もう良いよ。言いにくいことなんでしょ。聞いてごめんね。大丈夫、ちゃんと"友達"として接するから。じゃ。」
神谷の言葉は遮って、私だけしゃべってもう一度その場を離れようとする。
「待てって!!!」
私の腕をつかんで動きを止めてきた。
「離してっっよ!!!!!!!」
力を全部使うよに神谷の腕を振り払った。
つかまれた腕は神谷から離され、私はもうダッシュで逃げる。
濡れた頬を乾かす風…。
けど…すぐにまた涙が頬を濡らすんだ…。