桜の見える丘(仮)

「なんかさー…神谷君。最近、身が入ってないのよねー。いつも魂どっかに行ってんの。美姫ちゃん達…なんかあった?」


う…するどい…。


でも…神谷が大好きなバスケに身が入らないなんて珍しい…。


それは…私とのことで…そうなってるの…?


「うっ…うーん…。なにもないって言えば…嘘かもしれない…かな?」


「じゃぁなにかあったんじゃん!!!なに!?何があったの??」


興味を示したのか…やけに食いついてきた。


「いやっ…そうだけど…。ただ…ちょっともめちゃった…だけ?」


なんか…別れたとは言いにくくて…。


それに…なんで両想いなのに別れなきゃいけないのかわかんない。


それを納得させてくれるなら…別れ…たくないけど…別れなきゃいけない。


「ちょっとじゃないでしょ!!!顔に書いてる。もしかして…別れ…ちゃったとか?」


人差し指を私の方にビシッと向ける。


「へっ!?!?!?」


まさか…当たりを言われると思っていなくて…変な声を出してしまった。


「なに!?図星!?うっわー…可哀想に…。でも神谷君があ―なってるってことは…美姫ちゃんがフったの!?」


なんか…稲本さんのなかで色々な想像が膨らんでいるのか、私が追いつく前に話しが進んでいってる。





< 248 / 301 >

この作品をシェア

pagetop