桜の見える丘(仮)
「なんかさー…神谷君。最近、身が入ってないのよねー。いつも魂どっかに行ってんの。美姫ちゃん達…なんかあった?」
う…するどい…。
でも…神谷が大好きなバスケに身が入らないなんて珍しい…。
それは…私とのことで…そうなってるの…?
「うっ…うーん…。なにもないって言えば…嘘かもしれない…かな?」
「じゃぁなにかあったんじゃん!!!なに!?何があったの??」
興味を示したのか…やけに食いついてきた。
「いやっ…そうだけど…。ただ…ちょっともめちゃった…だけ?」
なんか…別れたとは言いにくくて…。
それに…なんで両想いなのに別れなきゃいけないのかわかんない。
それを納得させてくれるなら…別れ…たくないけど…別れなきゃいけない。
「ちょっとじゃないでしょ!!!顔に書いてる。もしかして…別れ…ちゃったとか?」
人差し指を私の方にビシッと向ける。
「へっ!?!?!?」
まさか…当たりを言われると思っていなくて…変な声を出してしまった。
「なに!?図星!?うっわー…可哀想に…。でも神谷君があ―なってるってことは…美姫ちゃんがフったの!?」
なんか…稲本さんのなかで色々な想像が膨らんでいるのか、私が追いつく前に話しが進んでいってる。