桜の見える丘(仮)


「美姫ー…。なにか理由があるってわかってるけど…寂しいよぉ…。」


葵は…柏木君の言葉を信じて、何か理由があることは見てたらわかるからって…別れたらしい。


とは言っても…『別れた』と言ってるだけらしい。


最後に、抱きしめられて耳元で言われたんだって。


『まじで、葵のこと好きだから。もし、葵がほかの男と付き合ったりしても…俺、奪いに行くからね。覚悟してて?俺から離れられないってこと。』


このことを話している葵は…ニヤニヤしてて気持ち悪い。


なんだよ。さっき寂しいとか言ってたじゃん。


仲間と思ってたのに…そっちの方がいいじゃねーか!!


もう、いいよ!!仲間なんかじゃないやい!!!


でも…葵は柏木君に『好きだから』って言われたこと…信じてるんだね。


やっぱ…すごいよ…。


私なんか…疑って…怒って…泣いて…。


訳も聞かず、逃げだした……。


こんなので…よかったんだろうか…。


葵が言ってた通り、神谷にもなにか別れなきゃいけなかった『訳』があったのかもしれない…。


ま…それを聞かなかったのは、私なんだけどね…ははは…。

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