桜の見える丘(仮)
『俺達の部活には"ある決まり"があるんだ。だから…ごめんな?俺はマジでお前しか見えてねぇから。』
低く…背筋がゾクゾクするような甘い声で囁かれた。
私から離れた神谷は、私の赤くなりすぎた顔を見て…ニヤッと笑みを浮かべたのだ。
「それじゃぁ…帰るか。家まで送ってくから。」
あいつは何事もなかったようにしてるし…。
私は…ドキドキしすぎて動けないって言うのに…。
私が動けないことに気付いたのか、近づいてきてまた耳元で言う。
「なんだ…動けないのか?じゃぁ…俺がお姫様だっこで連れて帰ってやろうか…。」
ひっ!!!!
「なっ…自分で歩けるよ!!!」
「じゃぁ、さっさと歩け。」
神谷って…優しいのか意地悪なのかわかんない。
でも…きっと根が優しい奴なんだろうな…と、あの大きな背中を眺めながら思った。
ってか…いまだにわかっていない…"ある決まり"のこと。
これは…調べてみないと…!!!