桜の見える丘(仮)

「って、落ち込んでる場合ちゃうな!!!あのさ…」


落ち込んでいたと思えば、すぐにさっきのテンションに戻った。


……なんか、ついていけない…。


「あ、名前言うの忘れてた!!!俺は坂本健吾!!よろしく~。あ、呼び方は何でもええから!!」


……すっごいマイペースな人だな…。


相づちうつ暇もない。


「美姫ちゃんて、俊と付き合ってんの!?」


身を乗り出し、聞いてきた。


興味津々に目を輝かせて…。


「いや…まぁ…そうだけど、今はちょっと…。」


「えぇ!!!?もしかして喧嘩中やった…!?うわぁ…俺めっちゃタイミング悪い時にこんなこと聞いたよな…。ごめんなさい。」


急に反省しだした。


「いや…喧嘩中というか…ちょっと…別れてる…途中…と言うか…」


返事に困る。


「えぇ゛!!!?別れてる……!?うっそ、なんでっ…!!!」


なんで…の後にまた言葉が続きそうだったが、それは奴の手によって止められた。


「ぃ…っつー…!!何すんねん!!急に頭殴んなや!!痛ぁ…たんこぶ出来てんちゃう…?」


神谷のげんこつが坂本君の頭に落下。


ゴッと鈍い音が痛さを強調していた。


坂本君は神谷に殴られたところをさすっている。
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