桜の見える丘(仮)

「お前が余計なことするから悪い。」


「だってぇー…俊、いつまでたっても彼女のこと紹介してくれへんから…。」


目がウルウルとしている坂本君。


なんか…犬みたい…。


「お前に言ったらこんな風になると思ったからな。案の定こうじゃねぇか。」


フゥ、とあきれたようにため息をわざとらしくつく神谷。


「こんな風ってどんな風やねん。ってか…あんたらもう別れたん!?早すぎやろ…。」


マイペースすぎる坂本君にイライラしているのか神谷の顔が引きつっている。


「……お前なぁ…。いい加減うるさいぞ。もうほっとけ!!!いちいち調べてくるな!」


首根っこをつかまれ、ポイッと教室から出される。


な…何だったんだ…。


聞きたいけど…話さないようにしてるから声をかけづらい。


その場で話しかけられないもどかしさでもじもじしていると…


「悪いな。あいつ、人懐っこすぎるんだ。テンション高ぇし。悪かったな。許してやってくれ。」


私の前の席に座り、すぐに机に顔を伏せた。


まぁ…神谷の席は私の前だし、いてもおかしくないんだけど…。


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