桜の見える丘(仮)


私の声は誰一人聞いてくれない。


「静かにしてくださいっっ!!!!」


…ハァ、ハァ。


基本的に声が小さい私が大声をがんばって出したとこで、みんなが静かになってくれるわけがない。


もう…やだ…。


なんか、涙出てきたぁ…。


うるうると目に涙が溜まっていく。


こんなことで泣いてちゃダメなのになぁ…。


もう…いいや、って諦めようとした時…。



―――――バンッッ!!!



教卓を思いっきりたたく音が。


さっきまでうるさかった教室が、いっきに静かに…。



「もう、いい加減にしろよ。体育祭でたくねぇなら黙っとけ。こいつが静かにしろっつってんのが聞こえねぇのかよ!!」



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