桜の見える丘(仮)
ほほぉ…すごっ!
私も負けてらんない!!
急いでぺたぺた色を塗っていく。
「おい!!」
「ん~?なに?」
色を塗りながら、簡単に返事をする。
「お前…色塗り下手。汚い。まじ、ありえねぇ…。」
「なっ!!うるさいな!これでも一生懸命塗ってんの!!」
なによ!私だって…一生懸命塗ってんだもん。器用なあんたみたいにきれいに塗れるかっつーの!!
「まぁ…お前にしたらがんばってる方か…」
なによ!がんばってる方って…。美術は苦手なの!!
神谷は立ち上がって、私の後ろに来た。
「な、なに?」
すると…私に覆いかぶさり、筆を持った手を握ってきた。