桜の見える丘(仮)

手元を見てみると、今まで私が塗っていたところには考えられないようにきれいに色が塗られていた。

「え?これ、私が…。」


「まぁ、俺が塗ったも同然だけどな。」


っふ、と鼻で笑う。


「さて、本当に暗くなっちまうぞ。少しはきれいに色塗れよ!」


「わかってるよ!!」


意地悪なのか…やさしいのか…ほんと、何なんだよ!!


さっさと作業を終わらせるため、ペースを上げながら順調に…。


色塗り終了!!!


「「終わったぁぁぁぁ!」」


神谷と声がはもって、顔を見合わせてプッ、っと吹きだす。


「いやぁ…疲れたな。」


「うん。もう、当分絵具みたくないね。」


「だな。もう、疲れたわ。」


どかっ、と床に寝ころぶ。


私も、床にコロンと寝ころぶ。

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