桜の見える丘(仮)

「ちょ!時計見せて!!」


それは、もうすぐで11時になるところだった。


「これ。年寄りに乱暴するな!ほら!帰る用意をしなさい!!もう、遅いんだから。」


怒り気味で私に言う。


って…あれ?神谷は?


「あの…横にもう一人いなかったですか?」


「あぁ、あの子ね。帰ったよ?君を起こす前に。」


「え?」



はぁ?先に帰っただと!?


あいつ…女の子残して帰るとか…どんな神経してんだ!!


「あの子が教えてくれたんだよ。ここに君が寝てることを。」


「はぁ…。そうですか。あ、帰ります。すいませんでした。」



警備員さんに頭をぺこりと下げて教室を出る。


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