桜の見える丘(仮)
グッっと目をつぶる。溜まった涙が目からこぼれおちる。
ヒタ・・・ヒタ・・・
足音が大きくなってくる。
いやっ!!!
「おい。なにしてんだ。」
え…?
お化けって…しゃべるっけ?
いや、違う。聞こえてきた声は聞きなれた声…。
「神谷…。」
「んと…お前、こんなのばっかだな。俺が声かけるたび涙目じゃねぇか?」
ッフっと笑う。
「ほっといてよ…。」
「おいおい。お前を待ってたやつにほっといてかよ。信じらんね―。」
…待っててくれたの…?
「もう、いいわ。じゃぁ、ほっとくからな。」