桜の見える丘(仮)
噂によれば、手つなぐは当たり前で、抱きついたりする振り付けを考えてるクラスもあるらしい。
…やだ。やだやだやだ!!
どうしよ…体育祭休もうかな…。
でも、体育祭係なっちゃったしな…。
うぅ~やだぁ。
「はい!次、美姫ちゃんの番!くじ引いてね!」
ニコッっとかわいらしい笑顔を見せてくれた、稲本刹那ちゃん。
最近、少し仲良くなった子。
「ん~…美姫ちゃんは…5番だね!覚えててよ!!」
稲本さんは私のもとを離れて、次にくじを引くこのところに行った。
5番…。予想のつかない数字…。
微妙…。はは…誰となるんだろ…。
「はぁい!!静かにー!!!じゃぁ、男女でおんなじ番号の人がダンスのペアだからー!!じゃぁ…番号の相手探してねぇ―!はい、移動!!」
みんなは稲本さんの指示に従い相手を探し始めた。
私は、動くのが面倒だったというか…もう、相手が誰でもよかったから自分の席を動かず相手が来るのを適当に待っていた。