桜の見える丘(仮)

そして…葵から私への事情聴取が始まった。


「で…いつからだ?」


「この前の…体育祭係の集まりがあった時…から…です。」


「ほぉん。じゃぁ、今まで好きだとは気づいてなかったのか?」


「はい。こんな奴好きなるかとか思ってました。」


「はぁ?ってか、今実際に好きになってんじゃん。」


「はい!そうです!!好きになっちゃいました!!!」


「誰を?」


…へ?


最後の‘誰を’と聞いたのは…?


葵の方をちらっと見ると、ぶんぶんと顔を横に振る。


葵じゃない…。


その声が聞こえたのは…私の頭上から…。


顔を上にゆっくりあげると…。




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