桜の見える丘(仮)

『心配してくれてありがとう』


そう言って、すぐ葵のところへ。


腰の痛みは、この恥ずかしさに比べれば!!


もう、ふつーに歩けてるし。


大丈夫か!!


「ねぇねぇ!!美姫!なぁ~に、囁いてきたの?」


私の耳元で『囁いてきたの?』のところだけやらしく言う。


私はその耳を手で覆った。


「ばっ!!囁いてなんかない!!」


「へぇ~、うそ!だって、背ぇ伸ばして、耳元でなんか言ってたじゃーん!こっち帰ってくるときは、耳まで真っ赤だったし?何恥ずかしいこと言ってきたのぉ~?」


ふへへへと笑う葵。


ってか、すっごい笑い方…。


「あ…ありがとうって言ってきた。心配してくれてありがとうって。」


「…。」


なぜかそこには沈黙が。


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