オオカミくんと赤ずきんちゃん

■第１章■

ファーストキス

今日もかっこいい～！


赤月雛(ｱｶﾂﾞｷﾋﾅ)。
高校１年生。


いつも電車で見るイケメンくんを眺めるのが日課です。


名前も知らなければ喋ったこともない私なのですが、もう見ているだけで十分♪


すんごいかっこいいお方だから！


“まもなく板川、板川です”


もう次下りるのか！


イケメンくんも板川駅で下りるんだけど、人が多くていつも見失う。


下りるまでたくさん見とかなきゃ！


―プシュー―


あぁ着いちゃった！イケメンくん、また明日…。


そう思いながら私はいつものように電車から下りた。


だけど今日は違っていた。