孤独の天使―Silver Angel―
2
『――………遅い。』
人んこと呼び出しといて、待たせるっちゅうことはないやろ。ひじょーしきすぎやで。
「ねぇ、君一人?」
あぁ、まただ。
「よかったら僕と遊ばない?」
「私、待ち合わせしてるんです。」
もう、うんざりだわ。
あたしはガタンと席をたって、出口へ向かった。
そのまま下へ降り、暗い路地を歩く。
肩と大きく開いた胸元が風に晒されて、肌寒い。
その時、ふと後ろに気配を感じた。
なんや、この変な感じ……。
身体がむずむずする……。
たしかにサラの身体には変化があった。
身体中が熱い。血が騒ぎ立てている。脚は今にも走り出したいと言っているようだ。
サラは早歩きをした。
後ろの気配の動きも早くなる。
まるでサラに合わせているよう。