孤独の天使―Silver Angel―
なんや。気味悪いなぁ。
そのとき、スッと気配が移動したと思うと、私の左肩に手が置かれた。
いくらなんでも、この私にでさえ、現状が危険だということは分かった。
こういうときは、不意をついてダッシュ!
右足で地面を強く蹴る。
『……っでぇ……!』
作成失敗。
掴まれた肩は想像以上に強い力で抑えられた。
ぐぃと引き戻され、木に背中を押し付けられる。
背中に鈍い痛みが走る。
『――………っ!!』
血走った眼、月光にキラリと光る牙。
その姿はヴァンパイアと例えるのが妥当だろう。
にしても頭ぼっさぼさやなぁ。
ヴァンパイアは綺麗好きって聞いたんは、間違いなんか?
あ、や、あとでも美形が多いって。
そういや、アレイシスも美形やなぁ。
もしかしてアレイシスもヴァンパイアやったりするんかなぁ。そしたらおもろいでぇ。