孤独の天使―Silver Angel―
『…授業妨害したろか?資料運ばんかったら授業にならへんもんなぁ。おぅそうしよ。よし決……ぉわっ!』
「大丈夫?こんな量を女の子ひとりに運ばせるなんて、何処の誰だい?」
あっちゃー……。
面倒なヤツに見つかってもうた。
「ツェスター代表、これ、私の仕事です。」
片言英語で一生懸命プリントを返してもらおうとする。
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、誰にでも優しく、紳士的で人気者の彼の名は、アレイシス・アスキッド・ツェスター。
「大変だろうから一緒に運ぶよ。」
いや、そっちのほうが大変なんや。なんでひとりで運んで来なかった!って怒られるんはあたしなんや。だからほんまに返してえな。
「これ私、運ばないと怒られます。だから、返して。」
「僕は君が怪我をする方が耐えられないな。」
ぬぁーーーーッッ!!!
悩殺スマイルやめーーぃ!!
しかもなんや!そのキザな言葉は!くっさーー!!!
「代表、困ります。これ、私の仕事です。」