孤独の天使―Silver Angel―
「女の子を助けて誰が困るんだい?」
『あたしが困るっちゅうねん!』
思わず日本語でつっこんでしまった。
日本語がわからない彼は爽やかに首を傾げている。
あとであんたのお取り巻きにあんたに荷物持たせたっちゅうて、あーだこーだ言われるんはあたしなんや!
せめてお取り巻きには見つかりませんように……。
「おーい、アレイシス!カフェに行くんじゃないのか?」
中庭を挟んで向かい側の廊下から声がした。
「あぁ!サラを手伝ってから、時間があったら行くよ!」
あぁぁぁ…………。
見つかった………。
しかも余計なことを言いよって……。
さっき叫んでいた金髪男の横には、アレイシスのお取り巻きの金髪美女さん方がいた。
「サラ、行こう?」
『ちぃとは影響考えて行動せぃ!』
のんきなアレイシスにあたしはまた日本語でつっこんでしまった。
あぁぁ………………………。
もう反抗する気も失せたわ……。