孤独の天使―Silver Angel―

『リアン?からかうんやったら一緒にお弁当食べへんよ?』

絶対リアンはこの状況を楽しんでる。

こっちはほんとに疎ましく思ってはるのに、とパンをパクりと一口食べる。

『ごめんごめん………。あの代表がなぁ…。ぷっ!!』

『なんで笑うんや!まったくあいつも気ぃつこうてくれてはるんやったら、見かけるたんびに世話焼かんでええのに。いや、むしろその方が嬉しいっちゅうねん。』

はぁ、と言ってまたあたしはパンを一口かじる。


『ねぇ、サラ。そんなに嫌なんだったら、代表の弱みを握ればいいのよ。』


弱み?

あいつの弱み……

キラキラと振り撒くパーフェクトスマイル。長い脚と完璧過ぎる顔立ち。
なにより美しく光るヴァイオレットの瞳。

今思うと……

『……あいつに弱みなんかないやん!』

と言ったら、

『バカ!それを探るんでしょうが。』

とデコピンされた。















アレイシスが教室から出てきた。

あたしは気付かれないようにスッと身を隠す


が、

「やぁ、サラ。最近よく君を見かける気がするんだが、やっと運命の女神が僕に微笑んでくれたのかな?」

< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop