孤独の天使―Silver Angel―
『リアン?からかうんやったら一緒にお弁当食べへんよ?』
絶対リアンはこの状況を楽しんでる。
こっちはほんとに疎ましく思ってはるのに、とパンをパクりと一口食べる。
『ごめんごめん………。あの代表がなぁ…。ぷっ!!』
『なんで笑うんや!まったくあいつも気ぃつこうてくれてはるんやったら、見かけるたんびに世話焼かんでええのに。いや、むしろその方が嬉しいっちゅうねん。』
はぁ、と言ってまたあたしはパンを一口かじる。
『ねぇ、サラ。そんなに嫌なんだったら、代表の弱みを握ればいいのよ。』
弱み?
あいつの弱み……
キラキラと振り撒くパーフェクトスマイル。長い脚と完璧過ぎる顔立ち。
なにより美しく光るヴァイオレットの瞳。
今思うと……
『……あいつに弱みなんかないやん!』
と言ったら、
『バカ!それを探るんでしょうが。』
とデコピンされた。
アレイシスが教室から出てきた。
あたしは気付かれないようにスッと身を隠す
が、
「やぁ、サラ。最近よく君を見かける気がするんだが、やっと運命の女神が僕に微笑んでくれたのかな?」