地味子な私と、人気者の彼

「っしゃぁ!」


 彼が先生に紙を見せ、先生が黒板に書き記した彼の番号――彼は一番後ろの一番左の席だった。


 誰も羨むその場所は、特等席とも呼ばれている。

 
 窓際で、いい風が入ってきて、校庭をのんびり眺められるなんて羨ましいな。


「汰一ズリー」


「俺と代われ! 今すぐに!」


「ヤダねー! これは俺の強運のお陰なのである」

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