地味子な私と、人気者の彼
「じゃッ、またね~」
「うん。また明日ね」
数日後の学校帰り、いつもの場所でユキちゃんと別れ携帯をいじりながら家路へと向かう。
「……?」
ふと何気なく右のほうを見ると、今にも潰れそうな書店が目に入った。
いつも通る道なのに、そんな本屋がある事に全く気が付かなかった。
看板の文字は薄れ、酷く汚れている。
白塗りだったであろう壁にはラクガキされていたり、ツタが張り付いていたりしてとてもじゃないけど入る気にはならなかった。