地味子な私と、人気者の彼

 扉を開けると、中からはなんとも言えないニオイがした。

 本独特のニオイと、後は説明出来ないような微妙なニオイ。


 ここで引き返せばいいものの、私はどんな本が置いてあるのか見てみたくなった。

 
 ――人間、興味が勝るって言うけどこういう事なのかしら。


「わぁ……いっぱいある」


 見渡してみると、ほとんどが古本らしかった。

  
 中には新品もあるけどホコリがかぶっていたのでこれじゃ買い手がつかないハズ。

 閉店に追い込まれる理由の一つなのかな。

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