地味子な私と、人気者の彼

 他の本は至って普通なのに、そのおまじないの本だけこの調子なので気になって仕方が無かった。
 
 
 もし高かったら返せばいいし、予想より安かったら買えばいい――そう思って奥のレジまでその本を持っていった。



「……いらっしゃい」


 レジの所に座っていたのは、気難しそうなお婆さんだった。


 真っ白い髪と眉毛、そして顔のいたる所に深く刻まれたシワはその人の生き様を物語っている様。

< 17 / 258 >

この作品をシェア

pagetop